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乾癬の再発を防ぐ生活

乾癬の再発を防ぎ、症状が悪化しないようにするには、やはり体質改善と生活環境の改善が必要です。

乾癬克服の為に理想的な生活、努力は非常に地味な ものです。腹八分目で野菜中心の食生活など、地味でコツコツ取り組むようなものばかりです。けれどこういった日々の努力を重ねれば次第に乾癬症状との縁が薄くなっていく筈です。

欧米の乾癬患者さんは夏に死海で海水浴をして症状緩和に努めるそうですが、乾癬に効くと言われている民間療法は色々ありますから、色々試してみるのもオス スメです。

食生活

日本人の乾癬発症率が上昇傾向にあるのは、欧米化した食生活も背景として指摘されています。肥満体型も乾癬症状の悪化要因ですし、乾癬以外の病魔も 寄せ付けやすくなるので標準体重以上に太っている方は余分な贅肉がつかないような食生活に改めましょう。

刺激が強いもの、揚げ物、マーガリン、消化の悪いもの、砂糖など避けるべきものはたくさんあります。逆に野菜類は積極的に摂取するのが理想的です。ただ し、乾癬とは長期戦で戦うことになりますし、好きなものを我慢し嫌いなものを無理やり食べる生活は乾癬症状の悪化要因であるストレスにも繋がります。

食事療法に取り組んですぐの時期は厳密に食べ物を選び、毎食毎食疲れてしまうかも知れません。完璧を目指さずに肩の力を抜き、徐々に健康的な食生活に整えていくことも重要です。

例えば乾癬患者さんの食事療法ではNGとされがちなお肉類も、全て身体に悪いわけではありません。敵視される牛肉にもカルニチンなど脂肪燃焼 効果を発揮す る成分はありますし、脂身の少ない部分を塩胡椒でシンプルに味付けし、ちょっとだけ食べる、など食べ方に工夫し上手く取り入れることが大切です。

甘いものが好きな方もミネラルが多いてんさい糖やキビ砂糖、腸内環境改善に効くオリゴ糖を活用すれば、身体に負担をかけずに糖分欲求を抑えることが可能です。

油もマーガリンなどの人工的な油は避けるべきですが、えごま油、ごま油、オリーブオイルなどの良質なオイルは無駄に身体を太らせることもありませんし、栄養価も高くむしろ積極的に摂取すべきです。

まずは何が自分の身体にとって大切で、症状を悪化させるのは何か、と口にするものを頭で学ぶことも重要です。

例えば便秘症状を改善するにはヨーグルトが効果的、とされますが、ヨーグルトが苦手なら無理に食べることはありません。バナナなど食物繊維が 豊富な果物、野菜でもOKですし食べ物が全滅ならオオバコ などのサプリメントで代用したり、運動やマッサージによるアプローチも試すべきです。 「押して駄目なら引いてみよう」と言う柔軟な考えが大切で、大量の禁止事項でがんじがらめになることはありません。

睡眠

乾癬に限らず、睡眠の量と質を充分に確保することは全ての健康対策に必要です。ぐっすり眠れないと心身の疲れも取れませんし、睡眠障害がひどいようなら医療機関で解決することも大切です。

乾癬が原因で眠れなくなってしまった患者さんもたくさんいます。痒みや痛みで安眠が妨げられたり、精神的なストレスで寝付けなくなることも。

睡眠薬には抵抗を感じるかも知れませんが、長引く乾癬症状や症状の悪化が原因で精神のバランスを崩すケースも非常に多く、心療内科やカウンセリングで問題を改善に導く方法も検討してみて下さい。

睡眠導入剤や睡眠改善剤など、睡眠薬よりも軽い薬は色々ありますし、メラトニンなどのサプリメントやバレリアンなどのハーブティーなど、眠りを誘うアイテムもたくさんあります。

衣類

寝具も含め、身につける衣類の素材は気を配りましょう。特に直接皮膚に触れる肌着やシーツ、毛布、タオルケット類はシルクやオーガニックコットンな どの天然素材が理想的です。

乾癬に効く、とされる民間療法は色々ありますが、最近はシルクと綿、ウールを使った靴下を重ねばきする冷えとり療法も人気を集めています。 シルクには体内に蓄積された毒素を排出する作用がありますし、皮膚の成分に近いアミノ酸で構成されていますから、肌に余計な負担を与えません。通気性、吸 汗性も良く防寒性にも優れている為、夏でも冬でも年間を通して最高の生地と言われています。 ただしシルク素材は丁寧に取り扱わなければなりません。

手洗いが理想的ですし使う洗剤も専用のものがベストで、少々面倒に感じるかも知れません。また、お値段も普通の生地よりも高いので予算におさまる範囲で天然素材を取り入れていきましょう。 冷えは大敵ですが、乾癬は皮膚に辛い症状が出る為厚着しにくい病気です。

シルクやカシミアなどの天然素材は非常に軽量なのに防寒性に優れていますし、通気性吸汗性も高いので敏感肌の方など夏でもカシミアのガウンを 羽織っているぐらいです。 たかが衣類、と見逃しがちな要素ですが、普段身につけるものの生地を変えるだけで驚く程症状が楽になったり身体が冷えにくくなったケースはたくさん報告さ れていますから、是非このアプローチ方法も検討してみて下さい。

特に頭皮に乾癬症状が出ている時、外出時に帽子で誤魔化す患者さんは少なくありませんが、かぶる帽子もオーガニックコットンやシルク素材のものを選ぶと無 駄に蒸れることがありません。

嗜好品

お酒やタバコなどの嗜好品が原因で乾癬を発症する、と因果関係が直接認められているわけではありません。けれどお酒もタバコも発症原因になる可能性 が否定しきれませんし、一旦発症した後症状を悪化させる要因であることは間違いありません。

ストレスも乾癬書状の悪化要因ですから必ずしも禁酒、禁煙は無理強いできませんが、できるだけ嗜好品は避けた方が無難です。

嗜好品は刺激が強いのも問題ですし、嗜好品の摂取によってビタミンCやビタミンB群など、特定の栄養素が失われてしまう点も見逃せません。お 酒も適量なら薬になる、との見方もありますが、症状が出ている時にアルコールを摂取すると身体が熱くなり、痒みが増したり熱がこもるので本人が一番辛くな ります。それに酔って「掻いてはいけない」と言う理性が崩れ、患部をかきむしって跡に残してしまうことも。

また、タバコやアルコールなどの嗜好品を摂取した後、肝臓は毒素やアルコール分を解毒しようと集中して働きます。乾癬克服の為にはダイエット も必要ですが、脂肪を分解する肝臓の働きも喫煙時や飲酒時には後回しになってしまいますから、嗜好品を摂取している間は中々痩せられません。

それに漢方やサプリメント、半身浴などで身体の毒素を追い出し体質改善につとめている場合、嗜好品を摂取することで自然療法による効果を打ち 消してしまう ことになります。 どうしても嗜好品がやめられない、と言う方はヨモギなどのハーブ、薬草を使ったタバコもありますし、お酒もビオワイン、オーガニックワインや、玄米の日本 酒など、自然製法にのっとって作られたものを選ぶようにしましょう。

漢方

体質改善を望む患者さんの間でも熱く支持される漢方療法は、現在多くの医療機関でも取り入れられています。乾癬に効果が期待できるとされる漢方薬は 「黄 連解毒湯」、「消風散」、 「温清飲(うんせいうん)」、「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」、「消風散(しょうふうさん)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「防風通 聖散(ぼうふうつうしょうさん)」、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」、「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかん とう)」、「大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)」など。

女性の生理不順が月経異常にも用いられる「温清飲」は、皮膚がガサガサとした乾燥肌で、体温が高い傾向の体質の方に効き目が現れやすい漢方で す。体内に蓄積された毒素を追い出す力がある「十味敗毒湯」は皮膚の痒みを散らし、化膿症状を鎮める作用を持ちます。 「消風散」はじっとりと湿気を帯び、ぐじゅぐじゅ状態になってしまっている症状に向いているとされますし、しもやけ症状の改善で有名な「桂枝茯苓丸」はホ ルモンバランスが崩れ血の巡りが悪い場合に効くそうです。

最近ダイエッット効果で人気を集めている「防風通聖散」も体内の代謝機能を安定させる効果から、 乾癬患者さんに処方されることもあります。 ただし、漢方薬による体質改善は非常に時間がかかる点がネックです。それに同じ乾癬症状でも体質次第で効く、効かないは変わってきますから、西洋医学に基 づく薬剤同様専門医に体質や症状を見極めた上で適切な漢方薬を処方して貰うことが重要です。

最近はドラッグストアなどでも漢方薬が簡単に手に入るようになっていますが、東洋医学の知識なく素人判断で漢方に手を出し症状が悪化する恐れもあります。 それに漢方薬による療法は時間をかけて問題の根本的な解決を目指すもので、治療を継続することによって金銭的な負担も考えなくてはなりません。 方向性が違う漢方薬に時間をお金を費やすのは意味がありませんし、身体に正しくアプローチする為にもきちんと処方して貰って下さい。乾癬症状が酷く場合、 漢方薬に理解を示してくれる病院やクリニックと二人三脚で治療を進める必要がありますし、薬局で購入する場合も専門知識を有する専門家の在籍する漢方薬局 で買い求めるようにして下さい。

サプリメント

サプリメントで乾癬と戦う患者さんも大勢いらっしゃいます。漢方やアーユルベーダのように比較的体質を選ばず、安定した効果を得やすい点、深刻な副作用を伴いにくい点が人気の理由でしょう。

特に海外製のサプリメントは国内製よりも有効成分が濃く配合されることもあり、個人輸入サプリも需要が高まっています。

尋常性乾癬の症状改善に効果が期待できる、とされているサプリメント成分は、ビオチンやEPA、DHAなどのオメガ3、ヒアルロン酸、善玉菌、ケルセチ ン、パントテン酸(ビタミンB5)、ガンマリノレン酸、月見草オイル、アスタキサンチンなど。

サプリメントは薬剤ではありませんから、これを飲めば確実にこの症状が改善される、と言う類のものではありません。基本的には食生活を整え、 食事だけでは 補い切れない不足分の栄養素をサプリで補充していく、と言う方向性で付き合うのが理想的です。 いくらサプリメントを摂取しても普段の食生活の問題を改善しなければ、効果も半減してしまいます。そのあたりはサプリ代を無駄にしない為にもよく肝に命じ る必要があります。

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